Capitalism

企業は「公益」に関心がなければ、善良である責任もない

人々はまた、企業は「公益」を促進するためだとか「社会的責任」を果たすために活動しているのだという経営者たちの言い分にも気をつけなければならない。企業というものは「公益」に関心があるわけではないし、善良であることも彼らの責任ではない。企業は…

経営者は消費者を満足させ、株主に利益を提供する以上のことはすべきでない

経営者は法に従う義務があり、いかなる不正行為に対しても責任を負っている。しかし、経営者はそれ以上のことはできないし、するべきでもない。経営者の仕事は消費者を満足させ、それによって株主に利益を生み出すことである。この決まりを経営者が果たせな…

民主主義は社会問題に対応することのできる最適な方法?

民主主義は、まさにこうした社会問題に対応することのできる最適な方法である。民主主義によって市民の価値観というものが示され、消費者や投資家としての私たちの要望と、全体としてともに達成したい要望との間の調整がなされるはずなのだ。しかし、超資本…

全企業に健康保険の支給をやめさせ、その配分を政府にゆだねる

これらすべての理由から考えると、私の結論は、健康保険を雇用と切り離すべきであるというものだ。ウォルマートのような企業を健康保険が不十分だと責めるよりも、全企業に健康保険の支給をすべてやめさせ、年間一二六〇億ドルの「隠れた」政府の医療保障制…

CSRに取り組めば法律や規制による厳しい管理を避けることができる

大企業が情熱を持ってCSRに取り組んだ理由は簡単だ。それは新聞で美談になるし、人々を安心させるからである。・・・企業は自ら責任を取りますとほんのなぐさみ程度に約束しておけば、より厳しい法律や規制の必要性から人々の注意をそらしたり、人々に初めか…

政策決定プロセスは市場競争の延長線上にある

グーグル、マイクロソフト、ヤフー、IBM、サン、オラクルが、政界に毎年何千万ドルというカネを送っているのは、ロビイストであるローレン・マドックスの言葉を借りれば「政策決定プロセスは市場競争の延長線上にある」ということを理解しているからである。…

超資本主義をもたらしたのは貪欲なCEOではなく消費者であり、投資家である市民自身

こうした事態をもたらした主犯は企業の貪欲さでもCEOの無神経さでもなく、お買い得を求めてプレッシャーをかけるあなたや私のような消費者であり、ハイリターンを求める私たち投資家だったのだ。たしかいに、あなたも私もこのような成り行きを「意図した」わ…

技術革新、グローバル化、規制緩和が消費者と投資家に強大の権力をもたらした

技術革新、グローバル化、規制緩和の三つが、消費者や株主を引き寄せようとする企業間の競争を激化させ、競争が企業にコストダウンを迫る。そして終幕は、巨大寡占企業や労働組合、多くの地方都市の崩壊であり、企業ステーツマンの退場であり、民主的資本主…

経済上のゲームとそのゲームのルールの決め方の境界線を明らかにすべき

資本主義と民主主義の適正な境界線、あるいは経済上のゲームと、そのゲームのルールの決め方との間にある境界線を明らかにする必要がある。そうすることで両者の境界がきちんと守られるのだ。企業は市民ではなく、大量の契約の束である。市民としての私たち…