超資本主義をもたらしたのは貪欲なCEOではなく消費者であり、投資家である市民自身

こうした事態をもたらした主犯は企業の貪欲さでもCEOの無神経さでもなく、お買い得を求めてプレッシャーをかけるあなたや私のような消費者であり、ハイリターンを求める私たち投資家だったのだ。たしかいに、あなたも私もこのような成り行きを「意図した」わけではなく、これほど多くの人たち(たぶん私たち自身と子どもたちも含まれる)の給与や福利厚生にこのような結果がもたらされたこともけっして快く思っていないだろう。しかし、私たちが頭の中で消費者と投資家としての悩みと市民としての脳みそをつながない限りは、私たちはこういう成り行きにまったく無関心でいられてしまう。企業やCEOやウォール街ウォルマートといった二つの脳みそをつないでいる存在を、言葉で非難しているほうがはるかに簡単だからである。
『暴走する資本主義』 〜第3章 我々の中にある二面性 P.141、142〜