ゲイツ世代とページ/ブリン世代の違い

十代で「コンピュータの私有」に感動したゲイツ世代は、インターネットの「こちら側」への拘りを今も捨てきれずにいる。しかし、十代で「パソコンの向こうの無限の世界」に感動したページ/ブリンの世代は、インターネットの「あちら側」に全く新しい創造物を構築しつつある。まさに世代交代のときである。
ウェブ進化論』 〜第六章 P.220〜

新しいキャリア・パラダイム

グローバルに活躍する日本人たちの経験に共通する「転職によるいい意味での人生の急展開」「新しい場での新しい出会いがもたらす全く新しいオポチュニティの到来」「組織に依存しない個人を単位としたネットワークがフル稼働することの強靭さ」「いつ失職するかわからない緊張感の中で、常に個としてのスキルを磨き自分を客観的に凝視し続ける姿勢が、いかに個を強くするか」といった新しいキャリア・パラダイムについて、日本のエスタブリッシュメント層の人々は、頭では理解できても、経験に裏打ちされて想像力が全く働かないのだ。
ウェブ進化論』 〜第七章 P.233、234〜

環境変化の中で精一杯努力すれば何とかなる

でも環境変化の中でゴチャゴチャと精一杯努力していると何とかなるのも事実だった。「捨てる神あれば拾う神あり」で、いろいろな新しい発見や予期せぬ出会いが私に新しい機会をもたらしたからだ。
ウェブ進化論』 〜第七章 P.238〜

語らずともわかりあえる仲間うちに閉じこまらない

「ネットの世界に住む」ように活きている若い世代は、ネットのネガティヴな側面ばかりを語る日本の大人たちに絶望感を抱いている。しかし、語らずともわかり合える仲間うちに閉じこもっていては、達成できることも限られる。
「ネットの意義を漠然とは理解しているが自分ではあまり使っていない。知識欲は旺盛で、きちんと説明すれば新しい事象を理解し、その意味を考えることができる程度には十分知的である」
よくも悪くも、年功序列社会が容易に崩れない日本では、こういうタイプの大人たちが、依然としてあらゆる場所で力を握っている。・・・<中略>
若い世代が何か新しいことをやるためには、こういう人たちの共感を得て、プロジェクトを興したり、組織を動かしたり、資金調達したりしなければならない。技術に関わるかビジネスに関わるかによらず、最先端の事象を、自分なりの論理でわかりやすく説明できるスキルはとても重要なのである。
ウェブ進化論』 〜あとがき P.246、247〜