ストレスからの解放のコツ

裁定取引の仕事はとてつもなく厳しい。社の人たちは、ストレスが大きいあまりに正気を失うこともあると考えていた。加えて多大なプレッシャーがかかる。しかし私は、一心不乱に取り組みながらも、そこそこの平静さを保つことができた。心のなかで、そうしなければならないならいつでもここを立ち去り、パリ左岸のカフェでヘンリー・ミラーを読むことができると考えていたからだ。そしてもうひとつ、今から1000年後には、何かの取引が成立したかどうか、私の裁定取引の仕事がうまくいったかどうかなど、誰も気にしないと思っていたからだ
『ルービン回顧録』 〜第二章 P.109〜