2005-12-02から1日間の記事一覧

アメリカ型経営の長所と短所

・・・、四半期ごとの収益への関心の高まりは百害あって一利なしとは言わないが、善悪の両面があったことは否めない。・・・、この問題をマーク・ウィンケルマンと話し合ったことがある。・・・「アメリカの経済システムの甚だしい欠点は短期的な視野にばか…

生え抜きの経営幹部という抵抗勢力

社外取締役としては、会社が直面している問題はできるかぎり深く知っておく責任があった。しかし実際にところ、事態がかなり深刻にならないかぎり、生え抜きの経営幹部に対し、確固たる根拠に基づき反対するのは難しい。 『ルービン回顧録』 〜第十一章 P.41…

政府機関に民間企業が学ぶべきこと

民間企業が政府機関に学ぶことで利益になると思うひとつの分野は、省庁間の協調、つまりいくつかの分野にまたがるような問題に関してはさまざまな専門分野の人材を集め、それぞれの意見に耳を傾けて共通の見解をもとめることである。またそのほかにも二点ほ…

長く同じ仕事をすること

時がたつにつれ、よいことも次第に支えとならなくなり、悪いことはいっそうわずらわしく思えてくる、と。私も、すでにこの境地に入っていた。 『ルービン回顧録』 〜第十章 P.389〜

モデルの限界と現実の複雑性

確かにモデルは市場を分析するのに有益な手段であり、意思決定に役立つ情報を与えてくれる。しかし、最終的な判断はトレーダーが下さねばならない。現実というものは、非常に高度なモデルをもってしても分析できないほど、複雑なものだからである。 『ルービ…

適切な規制システムと磐石な金融機関の必要性

・・・、ゆっくりした段階的な金融市場を開放しない言い訳に利用されかねない。なぜなら資本流入に対する厳しい統制は、経済の基本構造の抜本的改革よりも政治的解決が容易だからである。歴史を振り返ると、資本市場の自由化はうまく機能する近代経済への近…

グリーンスパンの妙技

つまり十分に準備を重ね、相手の心をつかみ、相手の意見を尊重することだ。アラン・グリーンスパンはこの点にかけて卓越した才を兼ね備えていた。グリーンスパンは質問に答える際には、たとえ少々的はずれな質問であっても、まずそれに敬意を表する。そして…

スピーチ原稿

ポイントを簡潔にまとめようとすると、時として、予想される反対意見や自分の論点のもろさがよく見えてくることがあるのだ。そこで、さらに明確になるよう検討を重ね内容を修正することもあった。ワシントンの政界では、多くの政策はスピーチ原稿を書いてい…

ストレスからの解放のコツ

裁定取引の仕事はとてつもなく厳しい。社の人たちは、ストレスが大きいあまりに正気を失うこともあると考えていた。加えて多大なプレッシャーがかかる。しかし私は、一心不乱に取り組みながらも、そこそこの平静さを保つことができた。心のなかで、そうしな…

レビーの口癖

レビーは迷信深いことで知られていた。「幸運」のコインがポケットでじゃらじゃら行っているからと、トレーディングルームにはいってくるのを見かけることもあった。口ぐせのひとつは「賢いより運がいいほうがいい」だったが、実際、運に頼っていたわけでは…

達成感を見つける場所

人が達成感を見つける場所は、自分の心の中においてほかにない。しかし、そこはあちこち探し回ったあげく最後に目を向けるということがあまりに多いのだ。『ルービン回顧録』 〜第二章 P.94〜

ハーバードでルービンが学んだこと

デモス教授は証明可能な確実性があるというプラントラの哲学者を尊敬していたが、私たちに教えたのは、人の意見や解釈はつねに改訂され、さらに発展するという見解だった。教授はプラントなど哲学者の思想を取り上げて、いかなる命題でも最終的あるいは究極…

意思決定の質

私たちの計画を引き受けることができたのは、予測される大きなリスク―現実的で政治的なリスク―を進んで覆うとうする大統領と政府だけだったかもしれない。分析の誤りや予知できない状況のせい、あるいは予知できるリスクが実際に起こっていたために、失敗し…

反対意見の重要性

ミーティングが最もよい結果を生むのは、受け入れられている意見に反対するメンバーがきちんと発言できるような場合だ。そこで、意見が一致しなそうになると、私は必ず反対意見を求めた。私に反対意見を唱えることは、斥けられるのではなく、逆によしとされ…

蓋然的意思決定と判断

数え切れないほどの対立する考え方がある場合、できる範囲で最良の決定にたどり着くのに最も重要なのは、それらをすべて見きわめ、それぞれどんな勝算と重要性があるかを判断すること、つまり蓋然的意思決定を行うことだ。それはとりもなおさず、自分たちの…

『ルービン回顧録』