割れた窓(ブロークン・ウィンドウ)」シンドローム

書いた記事をそのまま残す唯一の方法は、正反対の立場の人間でも納得するようなものを書く、ということだな」。ウィキペディアの創設者、ジミー・ウェールズは、私にそう説明してくれた。

都市計画や犯罪学の分野では、「割れた窓(ブロークン・ウィンドウ)」シンドロームが話題だ、とワード・カニンガム(1990年代に最初のウィキのソフトを開発した人物)は言う。もし近隣の人々が、割れた窓を放置してガラスを取り換えずにいると、街の風紀を誰も気にしないと見なされ、乱暴物や好ましからざる輩がはびこって一体の治安は悪化する、というものだ。
同様にウィキペディアでも、ボランティアの力で、オンラインの乱暴物の振まいをチェックし、修復している。いくら破壊を繰り返しても、数分以内に誰かが修復し、世界の目に触れるのを阻止してしまうと分かれば、乱暴者も降参して、別のもっと攻撃に弱そうなところへと引き上げていく
『ブログ 世界を変える個人メディア』 〜第7章 P.250〜