2005-12-08から1日間の記事一覧

ニュース報道のあるべき姿

"エスタブリッシュメント"のメディア組織が、一般の人々の頭脳を結集したエネルギーと知恵を取り込むことができれば、伝統的なジャーナリズムの力(編集判断、事実確認、真相追及)は、より信頼されるニュース報道の新時代をもたらすことになるだろう。それが…

いままでの限界を超えた多種類のプレーヤーの登場

デジタル業界で最も有名な『ワイアード』誌の編集長クリス・アンダーソン氏は、これからの時代は、いろいろな分野におけるランキングをグラフに描くと、その奇跡は限りなく長いもの(Long Tail)になるという。ネットでさまざまなコンテンツや商品が流通するこ…

サイレントマジョリティの声が聞こえる

ブログの普及は、個人の情報発信力を高めるのと同時に混乱も生み出した。これまで、伝える方法がないため発表されることなく世間からの葬られた情報や、サイレント・マジョリティーの声がいろいろなところで聞こえてくるようになり、それが従来の社会と確執…

解説

参加型の本執筆

・・・、私はこの本のイントロダクションと第一章の草稿を自分のブログに掲載した。読者には、事実関係の誤りを見つけたら、できれば電子メールで知らせてほしいとお願いした。合せて、私が重要なテーマを見逃していたら、あるいは、この本で絶対に扱うべき…

エピローグと謝辞

構造変化の過程で大事なこと

インターネットは、メディアとビジネスモデルについて、これまで当たり前だと考えてきたことを、あまりにも次々とひっくり返していく。この変化に振り落とされないようにするだけで精一杯だ。トップダウンの階層構造から、はるかに民主的で混沌とした構造へ…

第12章 われらのニュースをつくる

誰とでもコンタクトができること

ユーザー側で実装できる機能は、通信システムが実装するべきではない。 ・・・迷惑メールはネットワークユーザー間の問題であって、そこで解決されるべきものだ。もちろん、そうは言っても厄介な問題であることに変わりはない。ただ、その厄介さは、誰とでも…

知的財産の原理

「知的財産」の根本的な原理の一つは、合衆国憲法制定者たちが「一定期間」と定義した時間を経過すれば、それぞれの成果はパブリックドメイン入り認めることで、誰でも自由に、その成果を足がかりにして、新しい作品を作り上げることができるということなの…

第11章 帝国の逆襲

古株編集者の忠告

もし、生活に重大な影響を与えるような話を、たとえば非常に高価なものを売ったり買ったりするよう勧めるニュース記事などをネット上で目にしたら、実際に行動に移る前に、その中身をきちんと検証しておく必要がある。 検証にも限界はある。しかし、それが個…

インターネットの自己修復機能

私たちは、確かにネットのマイナス面を見た。しかし同時に、この問題を発見、分析、修正していく上で、コミュニティーが果たしてくれた役割を考えると、そこにはプラス面も見て取れた。ごろつきプログラマーの騒動の後、ワインバーガーが言った通りだ。「イ…

荒らしはコストの一部

スラッシュドットのチームは、ユーザーベースのコメントの仕分けシステムに加え、サイトを動かしているソフトウェアを、常に調整しておく必要があった。荒らしや壊し屋たちが、このサイトを無意味で、不愉快な投稿で目詰まりさせ、読者の体験を台無しにしよ…

ブログを読むには賢明さが必要

ブログのコメントを読む人々は、素性のはっきりしないコメントに対しては、その正確性に疑問を持つだけの賢明さを持ち合わせている、ということだ。 『ブログ 世界を変える個人メディア』 〜第9章 P.299〜

第9章 荒らし、情報誘導、そして信頼の境界

ムーア/メトカーフ/リードの法則

ムーアの法則とは、シリコンチップ上のトランジスタの集積度が十八ヶ月から二四ヶ月ごとに倍増するというものだ。 ・・・次にメトカーフの法則を考えてみよう。・・・要約すれば、メトカーフの法則とは、通信ネットワークの価値は、ノード(結節点)、すなわち…

第8章 次の段階へ

テーマを決めてこだわる

ブロガーはテーマを決めて、それに徹底してこだわらなければならない、と彼は言う。殆どのブログは、あまりにも焦点がぼやけている。 『ブログ 世界を変える個人メディア』 〜第7章 P.260〜

割れた窓(ブロークン・ウィンドウ)」シンドローム

「書いた記事をそのまま残す唯一の方法は、正反対の立場の人間でも納得するようなものを書く、ということだな」。ウィキペディアの創設者、ジミー・ウェールズは、私にそう説明してくれた。都市計画や犯罪学の分野では、「割れた窓(ブロークン・ウィンドウ)…

第7章 元読者がパーティーに参加する

主流メディアがブログを使わない理由

主要メディアをこれまで、なかなかブログを使おうとしなかった。巨大メディアに保守体質がしみついているせいだろう。だが他にも理由はある。古いタイプの編集者は、このジャンルに不信感を持っている。編集者たちがメディアの本質的な価値と考えるものを損…

ウォーターゲート事件と主流ジャーナリズム

私はジャーナリズムの使命を信じており、ジャーナリズムがこの変化を生き抜くことができるよう願っている。大手新聞などの主要ジャーナリズムが衰退すれば、本格的な調査報道は減っていくか、もしかしたらほぼ消滅してしまう恐れすらあるからだ。新たなウォ…

主流ジャーナリストのとるべきスタンス

読者の集団は、メディアのプロたちよりも多くのことを知っている。当たり前だ。彼らは大勢、そしてジャーナリストはしばしば、たった一人なのだから。私たちは彼らが持っている知識を理解し、いい意味でそれを利用していく必要がある。さもなくば、かつての…

第6章 ジャーナリストが「会話」に参加する

主流メディアの限界

「メディアは物事を一面的にしかとらえない上に、世界を単純化しすぎている。そのため、競合するアイディアを提示してコンセンサスを探るという機能を、メディアが果たせていないのだ」。 『ブログ 世界を変える個人メディア』 〜第5章 P.181〜182〜

ブログと選挙活動

2004年が、来るべき変革の萌芽の年だったとするなら、インターネットは全ての選挙運動にとって、単なる付け足しなどではなく、不可欠なツールとなるだろう。たとえば、すべての候補者、にすくなくとも全ての陣営は、ブログか、それに似たものを立ち上げるは…

第5章 有権者の同意

遠慮会釈のない人たちとのつきあい

「遠慮会釈のない人たちとつきあうのが、居心地がいいものかどうか。そこのところを腹を決めておく必要がある」とウィンドリー。「ブログはそういう人種のものだ。それを嫌がる組織もあるだろう。」 『ブログ 世界を変える個人メディア』 〜第4章 P.139〜