会社は何のためにあるのかという本質的な問いから逃げてはいけない

人はなぜ生きているのかという哲学が常に問われるように、そもそもこの会社は何のためにあるかを問わなければならない。この最も本質的で、問い詰めると答えのない問いから、皆が逃げている。それを抽象化して、株主主義だ何だという議論をしたほうが簡単である。しかし、それでは、本質は何も見えてこない。
このそもそも会社は何のためにあるのかということこそが、本当の意味での会社の理念、哲学である。経営はさまざまなトレードオフとぶつかる。短期と長期、合理と情理、自社益と社会益、・・・。これらがぶつかったときに、それに決着をつける調和合一の枠組みが理念や哲学である。
『会社は頭から腐る』 〜第5章 ガバナンス構造を徹底的に見直せ P.150〜