「能力があってやる気がある」が最も害がある

父は僕に、『外交官には、能力があってやる気がある、能力がなくてやる気がある、能力はあるがやる気がない、能力もなくやる気もないの四カテゴリーがあるが、そのうちどのカテゴリーが国益にいちばん害を与えるかを理解しておかなくてはならない。お前はどう考えるか』とよく聞いてきたものです。
僕は、能力がなくてやる気もないのが最低と考えていたのだが、父は能力がなくてやる気があるのが、事態を紛糾させるので一番悪いと考えていた。最近になって父の言うことが正しいように思えてきた。
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』 〜第二章 田中眞紀子鈴木宗男の戦い P.66〜