「人質裁判」に現れた日本の現政権の「弱さ」

現状では、罪状を認めない被告人を検察は極力拘置所にとどめようとする。・・・<中略>被告人が否認で筋を通すならば、一年以上、拘留されることは今や「常識」なのである。長期拘留に対する恐れから、無実の罪を認めたり、あるいは自己に不利な供述調書を証拠として認める事例はいくらでもある。
もっとも、国際スタンダードでは、このような「人質裁判」が横行するのは国家権力が弱っていることの証左である。強い国家は無理をしないものだ。私は「人質裁判」に現れた日本の現政権の「弱さ」をきちんと記録に残したいと考えた。
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』 〜第六章 獄中から保釈、そして裁判闘争へ P.371〜