エリートは国家、社会に対して特別な責任を負う

現下、日本のエリートは、自らがエリートである、つまり国家、社会に対して特別の責任を負っているという自覚を欠いて、その権力を行使しているところに危険があります。外務省の研修指導で最も苦労したのは、「研修は自分のためにやっているのではなく、日本国家のために勉強しているのだ。ロシア語ができず、外交官として語学や任国事情に弱いが故に他人に迷惑をかけるようでは国益を既存することになる」ということを新入省員にいかに納得させるかということでした。
『獄中記』 〜第3章 獄舎から見た国家 P.200〜