言葉にされない物語を見つけ、掘り起こし、それに言葉を与える

作家も現実のなかにすでにあるけれども、言葉にされないためにきづかれないでいる物語を見つけ出し、鉱石を掘り起こすようにスコップで一所懸命掘り出して、それに言葉を与えるのです。
自分が考えついたわけではなく、実はすでにそこにあったのだ、というような謙虚な気持になったとき、本物の小説が書けるのではないかという気がしています。
『物語の役割』 〜第ニ部 物語が生まれる現場 P.65〜