対米従属を続け、敗戦を否認しつづけている状況

敗戦の帰結としての政治・経済・軍事的な意味での直接的な対米従属構造が永続化される一方で、敗戦そのものを認識において巧みに隠蔽する(=それを否認する)という日本人の大部分の歴史認識・歴史的意義の構造が変化していない、という意味で敗戦は二重化された構造をなしつつ継続している。無論、このニ側面は相互を補完する関係にある。敗戦を否認しているがゆえに、際限のない対米従属を続けなければならず、深い対米従属を続けている限り、敗戦を否認し続けることができる。かかる状況を私は、「永続敗戦」と呼ぶ。
『永続敗戦論――戦後日本の核心』 P47、48

どれほど優れた考えでも、それが優れているというだけで成功することはない

必ず強調するのが「どれほど優れた考えでも、それが優れているというだけで成功することはない」だ。優れた考えには、そのために戦う闘士がいなければならないーその考えを信じる、実現を目指して努力する、実現を目指して戦う、支持者や闘士を増やす、実現するまで推進するーそういう人が必要なのだ。逆に、理不尽な考えも、それが本質的に理不尽であるというだけで消えはしない。理不尽な考えに反対して立ち上がり、戦う人がいなければならない。みずからを危険にさらし、問題点を指摘して、心臓に杭を打ち込む人がいなければならないのだ。
『リーダーを目指す人の心得』 P.345

物事をなすのは組織、計画、制度ではない、人だけだ

物事をなすのは組織ではない。物事をなすのは計画や制度ではない。物事をなせるのは、人だけだ。組織や計画、制度は人を助けるかじゃまするか、である。
『リーダーを目指す人の心得』 P.344

リーダーとは責任を持って受けもつ勇気のある人物

「リーダーとは?」ーよく聞かれる質問だ。
私の答えはシンプルだー「責任を持って受けもつ勇気のある人物。人々が反応し、この人にならばついていこうと思える人物」。
『リーダーを目指す人の心得』 P.344

昇進候補者の評価は、もう1段階上ならもっと能力を発揮できる人物かどうか

私は、「半々ルール」で昇進候補者の評価をおこなう。まず、半分は実績をベースに判断する。能力を証明する実績がなければならないということだが、これはいわば、ゲームの参加料金みたいなものだ。もう半分は、長年にわたる経験でつちかった半ば直感的な力で、もう1段階上ならもっと能力を発揮できる人物であるか否かを判断する
『リーダーを目指す人の心得』 P.91

自分は勝利に向かっていると思えば、自分以外にも良い影響が及ぶ

私は、状況がどれほど厳しい時も自身を失わず、楽観的な姿勢を保つようにこころがけてきた。なにかに感染しても、一晩ゆっくり休めば8時間後にはその影響がやわらぐことが多い。夜、自分は勝利に向かって歩んでいると思いながら職場をあとにすると、自分以外にもよい影響が与えられる。部下にもその姿勢が伝わり、どのような問題でも解決できると信じさせることができるのだ。
『リーダーを目指す人の心得』 P.14