意見の違う相手に対する尊敬の念

そうだとすると、意見の違う相手に対して尊敬の念、尊重する気持ちを持つことがスタートとなる。私の考えた意見も真理であり、相手が考えた意見も真理であるとすると、当然相手に敬意を払うようになるものだ。そして次に行うべきステップは、「なぜ違う真理に到達したのか」をお互いに考えるということである。事実の認識が同じで、論理が同じで、考えに入れる要素が同じなら真理は同じになるはずだ。そういう思いから、相手の事実認識、その論理をつぶさに聞いて、理解しようとする。他人の頭の中の真理到達への道を、自分の頭の中で再構成するのである。そうすると、結局、相手の話をよく聞くようになる。自分の言葉で他人の頭の中をシミュレーションしているから、ただ聞いているのとは違う。適宜質問をし、自分の言葉でまとめて、確認するというプロセスをたどることになる。そこにそもそも尊敬の精神があるのだから、相手と自分の周波数が同調してくるのを感じる。
『30歳からの成長戦略』 〜P.188〜