2009-05-18から1日間の記事一覧

事後的に規制を強化してリスクをコントロールしようとするのではなく、何よりもまず複雑性を減らすのが望ましい

規制や組織的な監視の階層を追加して、リスクをコントロールしようとしても、われわれの制度設計が生み出した市場の複雑性や密結合がもたらす問題を解決できるとはかぎらない。問題を解決するどころか、逆に悪化させるおそれさえある。だからといって、規制…

複雑性と相互作用がもたらすあらゆる危険性に備えることはできない

機能不全が起こるのには原因があり、事後的にならいくらでも説明がつくものだ。問題は複雑性そのものにある。あらゆる相互作用がもたらすあらゆる大事故の危険性に備えることなどできない。事態は一気に進展していくため、調整をほどこす時間はない。 『市場…

リスク管理モデルは、容易に測定できるリスクには対応できるが目に見えないリスクは制御できない

どれほど大きなチームをリスク・マネジメントにあたらせようと、自分たちが認識・測定できる要因に対してリスク管理モデルを運用し、リスクレポートを作成することしか、われわれにはできない。実際、チームの規模が大きくなればなるほど、すでに認識されて…

市場の制度設計を改善しようとする努力が至上の機能不全を生じさせている

金融市場では過去三〇年間に膨大な量の金融工学が生み出されているのに、市場が機能不全に陥る頻度が増え、深刻度は増している。 こうした機能不全は、市場の制度設計を改善しようとわれわれが努力しているにもかかわらず生じているのではない。そうしたわれ…

現実の経済ではリスクが少なくなっているのに、資本市場ではリスクが増大している

市場の危機や記入の不安定性は増幅していく。この点に関して興味をそそる側面の一つが、こうした出来事には経済実態が反映されていないということである。事実、資本市場ではリスクが増大しているが、われわれが生きている現実の経済では、それと正反対の流…

市場リスク 暴落は必然か