2009-05-23から1日間の記事一覧

社会が押しつけずとも協調を重んじ、自己を押し出すことは日本人はしない

この二つのケースとも、その行為は社会が押しつけたものではなく、自尊心のしからしめる所だった。二人にとっては自分に対する誇りの問題だった。最も純粋な形の個人主義の表現である。 日本にもこの意味の個人主義者はたくさんいる。彼らは他の人たちと何ら…

一つの教義を絶対的真理として信じるように強制されることはなかった

日本では、一つの教義を絶対的真理として信じるように強制されることはなかったから、違った信仰を持つことは命に関わる危険なことではなかった。日本には反駁の精神を煽りたてたり、燃え上がらせたりする一神教は存在しなかった。また世俗の世界でも、古い…

鎖国下、狭い国土の中の過剰供給が品質と評判に対する高度な日本人の意識を育んだ

商人たちは最も大切な資金と顧客を宝物のように扱った。顧客の信用こそが第一だった。狭い閉鎖された社会では悪い評判がたつような不誠実な行いをすることはできなかった。たとえそれで大金を一度は設けることができても、評判がくずれるということは、人生…

日本ほど、貧富・階層の差が極端でない国、民族はない

日本には革命がなかった。なぜか、という問いにはたくさんの答えが可能であるが、結局日本ほど、貧富の差、上層と階層の差が極端でない国は、世界のどこの国、どこの民族にもないということである。 『驕れる白人と闘うための日本近代史』 〜第二章 劣等民族…

限られて資源の中で平和に暮らした鎖国時代の日本人の知恵は、二十一世紀の地球全体にとっても、大いに重要である

第一点 鎖国時代に作り上げられた日本社会の仕組みをよく知っていれば、日本が開国後、迅速かつ徹底的に近代化を実現できたことは全く驚くに足りないことだ。 第二点 鎖国時代の日本社会を正確に考察すれば、今日の日本を理解することができること。というの…

驕れる白人と闘うための日本近代史