組織は簡潔明瞭にし、責任を明確にする

ジョブズは簡潔明瞭な組織づくりを心がけた。・・・<中略>ジョブズは上から下まで明確な指揮命令系統にこだわった。すべての社員が自分の直属の上司、自分に期待される役割を把握していなければならない。「新しい組織は余分なものがなくてわかりやすく、責任が明確だ」と、ジョブズは『ビジネスウィーク』誌に語っている。「すべてシンプルになった。集中と簡潔が私のモットーなんだ」
スティーブ・ジョブズの流儀』 〜第1章 フォーカス 「ノー」が救ったアップル P.47〜

スクロールバーをジョブズが納得するまで改良するのに半年を費やした

信じられないことだが、ラツラフのチームはスクロールバーをジョブズが納得するまで改良するのに半年を費やした。
スティーブ・ジョブズの流儀』 〜第2章 独裁 アップルのワンマン・フォーカスグループ P.67、68〜

素朴こそが贅沢

アップルのデザインプロセスで最も重要な要素のひとつは簡素化である。アップルの製品はなぜシンプルなのか、それは顧客の選択肢を減らそうとするからだ。ジョブズにとってはつねに素朴こそ贅沢なのである。 「技術が複雑になるにつれて、高度な技術をふつうの人に理解される術を知っているというアップルの強みがますます重宝される」
スティーブ・ジョブズの流儀』 〜第2章 独裁 アップルのワンマン・フォーカスグループ P.79〜

Aプレーヤーしか要らないという目標を組織にしっかり植えつける

「いっしょに働く人材のクオリティ水準を高く保つこと、それが自分の仕事のひとつだといつも考えてきた」とジョブズは言う。「それは私が個人として貢献できる数少ないことのひとつだろう。Aプレーヤーしか要らないという目標を組織にしっかり植えつけようとするのだ。何につけ、世界のトップ人材に目をつけることはあとあと役に立つ」
スティーブ・ジョブズの流儀』 〜第4章 エリート主義 Aプレーヤー以外の能なしは去れ P.129〜

いずれ来るベクトルを探せば、物事はひとりでに進んでいく

未来を見通し、消費者が何を望んでいるかをだれよりも先に知る不思議な能力をそなえているように見える。ジョブズ本人はそんな評判にはとりあわない。「何が起こるかをぴたりとあてることはできない。しかし、われわれがどこへ向かっているのかを感じることはできる」と、ジョブズは『ローリングストーン』誌に語っている。「それにはけっこうな精度がある。あとは一歩下がって余計なことをしなければ、物事はひとりでに進んでいくものだ
ジョブズ「いずれ来るベクトル」を探すのだという。どんな新技術が市場に現れ、さらにどんな技術がその進撃を阻むのか?「それが何なのか、時とともにどう変わるのか、ある時点でどれを選べばよいのかを私たちは明らかにしようとする」とジョブズ。「あまりにも先のことまではわからないが、それなりに先を行く必要はある。実行には時間がかかるからだ。だから動いている列車をとめなければならないことになる」
スティーブ・ジョブズの流儀』 〜第6章 発明欲 イノベーションはどこからもたらされるのか P.230〜

クローズドシステムは選択の幅を狭めるが、安定感と信頼性は増す

ハードウェアとソフトウェアの緊密な一体化が、予見可能で扱いやすいシステムを生む。クローズドシステムは選択の幅を狭めるが、安定感と信頼性は増す。オープンシステムはそれよりもはるかにもろく、信頼性が低い。これは自由の代償である。
スティーブ・ジョブズの流儀』 〜第8章 トータルコントロール 一から十まで P.295〜

アップルはコンピュータの世界で最後の、そして唯一の垂直統合企業

アップルだけがすべてをコントロールするおいう「武器」にこだわった。同社はコンピュータの世界で最後の、そして唯一の垂直統合企業になっている。コモドール、アミーガ、オリベッティなど、自社のハードウェアやソフトウェアをつくっていたほかの垂直統合企業はとうの昔に消え去った。
スティーブ・ジョブズの流儀』 〜第8章 トータルコントロール 一から十まで P.317〜