学ぶ計画を立案上最も重要なのは捨てる戦略

一編にいろんな科目が選択肢として提示される。当然、学び手の持ち時間は限られる。おのずとそれらの科目を取捨選択して、メリハリをつけた行動計画をたてなければならない。学ぶべき科目がたくさん呈示されている現代では”戦略”が必要なのである。つまり”捨てる戦略”の立案と実行である。しかし日本人、特に優等生は捨てることが下手である。一編にすべてをやりたがる。
『30歳からの成長戦略』 〜P.19〜

部分に踏み込みすぎると全体が見えなくなる

絞り込んだ領域で、深く最新の課題まで検討するうちに、気分が乗ってくる自分に気がつくはずだ。世界のプロが悩む課題に自分も頭を使っているという時間、わかり始めた瞬間の気持ちよさ。そういった気持ちが仇となって、部分にのめる込むうちに本来の目的が見えなくなり、全体が見えなくなってしまうのである
『30歳からの成長戦略』 〜P.75〜

部分にひきずられる

せっかく努力してやってきた部分だから、何とかこれをうまく使いたい。全体を考えれば今まで一生懸命やってきたことが一寸ピントがずれているのはわかっている。しかし、それを否定できない。だから正当化しようとする。結局、全体を見るのが怖くなり、その部分にひきづられるという変なことをやってしまう。これはどこにでもある典型的な部分固執症で、失敗のパターンである
『30歳からの成長戦略』 〜P.78〜

時間の有効な使い方

  • 自分ひとりの時間でも来客・会議と同様にアポをとる。
  • 考える前に材料を頭に放り込んでおく。

寝る前が有効。考える材料を放り込んでも、それが頭で自然消化されるまでは良い答えはでてこない。一晩寝かせると、つまらない情報は忘れ、大事な情報だけが残り、頭がシャープな翌朝に考えられる。

  • 細切れの時間は黄金の時間。仕事は十五分単位で切り刻める。

『30歳からの成長戦略』 〜P.97〜

すさまじい集中力を生むために

その銀行では、夏休みは三週間と決められていた。日本人の先輩は、そんな非常識な長さの夏休みは取れないと上司に申し出たらしい。その上司が答えた。「わが社は休みを三週間取らないと首である」と。先輩は驚いて聞いた。「なぜですか?」と。その答えがふるっている。「休みの最初の一週間は疲れを取るだけで終わる。二週間目に英気が養われる。三週間目に仕事をしたくなる。そこまで休んではじめて、すさまじい集中力で仕事をできるようになるもんだ」と。
『30歳からの成長戦略』 〜P.104〜

自説を曲げることを厭わず、妥当な線を探す

論理的思考方法にとらわれればとらわれるほど、自説を曲げない傾向が強くなる。事実か論理で間違いを犯したりしていない限り、正解は一つであるということを暗黙の前提にしている思考法だからだ。・・・<中略>たくさんの真理が主観的に存在すると唱えたフッサールの提示した解決策は、異なるたくさんの主観的真理をぶつけ合って「妥当」な線を探しあおうというものだ。「妥当」というのは、同じ目的や目標を持つ者同士が誠心誠意、目的・目標達成のために、お互いが納得できる解決策を探ることを意味するのだと説明している。
『30歳からの成長戦略』 〜P.187〜

意見の違う相手に対する尊敬の念

そうだとすると、意見の違う相手に対して尊敬の念、尊重する気持ちを持つことがスタートとなる。私の考えた意見も真理であり、相手が考えた意見も真理であるとすると、当然相手に敬意を払うようになるものだ。そして次に行うべきステップは、「なぜ違う真理に到達したのか」をお互いに考えるということである。事実の認識が同じで、論理が同じで、考えに入れる要素が同じなら真理は同じになるはずだ。そういう思いから、相手の事実認識、その論理をつぶさに聞いて、理解しようとする。他人の頭の中の真理到達への道を、自分の頭の中で再構成するのである。そうすると、結局、相手の話をよく聞くようになる。自分の言葉で他人の頭の中をシミュレーションしているから、ただ聞いているのとは違う。適宜質問をし、自分の言葉でまとめて、確認するというプロセスをたどることになる。そこにそもそも尊敬の精神があるのだから、相手と自分の周波数が同調してくるのを感じる。
『30歳からの成長戦略』 〜P.188〜