2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

リスク管理モデルは、容易に測定できるリスクには対応できるが目に見えないリスクは制御できない

どれほど大きなチームをリスク・マネジメントにあたらせようと、自分たちが認識・測定できる要因に対してリスク管理モデルを運用し、リスクレポートを作成することしか、われわれにはできない。実際、チームの規模が大きくなればなるほど、すでに認識されて…

市場の制度設計を改善しようとする努力が至上の機能不全を生じさせている

金融市場では過去三〇年間に膨大な量の金融工学が生み出されているのに、市場が機能不全に陥る頻度が増え、深刻度は増している。 こうした機能不全は、市場の制度設計を改善しようとわれわれが努力しているにもかかわらず生じているのではない。そうしたわれ…

現実の経済ではリスクが少なくなっているのに、資本市場ではリスクが増大している

市場の危機や記入の不安定性は増幅していく。この点に関して興味をそそる側面の一つが、こうした出来事には経済実態が反映されていないということである。事実、資本市場ではリスクが増大しているが、われわれが生きている現実の経済では、それと正反対の流…

市場リスク 暴落は必然か

曖昧模糊さ、いい加減さを前に、どれだけ普通でいられるか

いかに曖昧さに耐えられるか、ということだと思っていんですよ。曖昧模糊さ、いい加減さを前に、どれだけ普通でいられるか、ということだと思うんですよ。 『シリコンバレーから将棋を観る』 〜第七章 対談 羽生義治X梅田望夫 P.244〜

才能あふれる人でも「機会の窓」が開くことは多くない

どんなに才能あふれる人であろうとも、人生における「機会の窓」(Windows of opportunity)が開くことはそれほど多くはなく、人によってはたった一回だけというケースもあるということだ。日本の「一期一会」という言葉にも通ずるが、一瞬開いた「機会の窓…

技術だけが進化し続けても、アプリケーションがうまく生まれず、世の中は変わらない

誰かが未来を先取りした酔狂な人体実験を繰り返さないと、技術だけが進化し続けても、アプリケーションがうまく生まれず、世の中は変わらない。そういうことがよくある。それは私がシリコンバレーで学んだ大切なことの一つだ。だから、さまざまな素晴らしい…

無駄なようでも創造性を生もうとする営みを続ける以外、長期的には生き残るすべはない

羽生が最後に言う「創造性以外のものは簡単に手に入る時代」とは、産業の世界の「何もかもがコモディティ化していく時代にどう生き残るか」という議論そのものである。 厳しいながら、権利のない世界のほうが進歩が加速する。だから、進歩を最優先事項とする…

「知のオープン化」と「勝つこと」をいかに両立させるかがインターネット時代の思想の本質

OSS

「知のオープン化」と「勝つこと」をいかに両立させるか。それこそが、インターネット時代の思想の本質のひとつである。羽生はインターネット時代の思想を、その時代が到来するよりも早い時期から、『羽生の頭脳』のオープン化と七冠制覇の両立という形で有…

固定観念にしばられるのを避けるために若い人を意識して見る

私は今31歳で、年下の人と対戦する機会が増えてきました。そこで思うのは、後輩の将棋をしっかりみなければいけないということです。例えば、四段五段の人や、まだプロになっていない人と指した時に、その人の手がわからないことが時々あるんです。どういう…

シリコンバレーから将棋を観る 羽生義治と現代