2005-12-04から1日間の記事一覧

オープンソースという組織体

リナックスの物語は、オープンソース・ソフトウェアと呼ばれ、誰にでも自由に利用したり変更したりできるソフトウェアの例としてよく知られている。だが、それが知識労働を高度に分散化した、新しい形の組織の例だということはあまり知られていない。 『フュ…

知識労働者に大事なこと

ITはたえず情報伝達コストを下げ、企業にとってスケールメリットを犠牲にせずに分散化することを可能にする。そして、知識労働の重要性が増したために、モチベーションや創造性や柔軟性はこれまでよりさらに重要になっているのだ。 『フューチャー・オブ・ワ…

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今日、インターネットにアクセスできる人間なら誰でも、ほとんど一瞬にして、かつ、ときには費用もかけずに、ほんの数十年前にはIBMやゼネラルモーターズやアメリカ政府といった巨大組織の頂点にいる、えりすぐりの意思決定者ですら手に入れられなかったほど…

集中化によって失われること

私たちの遠い祖先が、みずからの自由のいくらかをあきらめる代わりに、大きいことによって得られる政治面での利益を選んだように、私たちの祖父母の多くが、ビジネス面で同様の選択をおこなった。彼らはやはり自由と、自営農業やささやかな商売の気楽さを手…

情報伝達コスト低減が可能にすること

私たちの祖先が突然に方向転換をして、分散化を選んだ理由は何か、という疑問への答えは次のとおりである。印刷機などの新しいテクノロジーによって、情報伝達コストが充分に下がり、人々がほしいと思うふたつのものの双方を手離さずにすむようになったから…

集中化の弊害

またもうひとつの―漠然とはしているが―集中化された組織が払う代償は、個人の自主性の喪失である。狩猟採集民の群れから階層制農耕社会への移行は、リーダーを除いたすべての人に、自分たちの自由の一部を―ときにはそのほとんどを―犠牲にすることを求めたの…

分散的意思決定に要するコスト

単純に、そうした大きな集団において高度に分散化された意思決定をするには、コストがかかりすぎるのである。情報を伝えるのに直接会って話す手段しかないときに、大人数で平等主義にもとづく意思決定をするのは時間がかかりすぎる。 『フューチャー・オブ・…

分散化の促進

・・・、情報伝達コストが低下しつづけることは、分散化の機会がますます増えることを意味する。情報伝達の経済性と意思決定における根本的変化は、これからの長い年月、経済や、企業という企業、産業という産業に影響を与えつづけるのである。 『フューチャ…

意思決定の場所を決める要素

だが、ビジネスにおける意思決定がなされる場所を決める要素はもうひとつあり、それはほとんどいたるところで劇的に変化しているのである。・・・この要素とは何だろうか? それは、である。 『フューチャー・オブ・ワーク』 〜選択の時〜 P.27

分散化

ここでは「分散化」を、「問題にかかわる者を意思決定に参加させること」と定義する。 『フューチャー・オブ・ワーク』 〜選択の時〜 P.24

分散化された組織のもたらすもの

一方、二十一世紀の分散化された組織は前任者とは違って、大きいことと小さいこととの両方の利点を享受できる。個人に大いなる柔軟性と自由を与えると同時に、歴史上かつてないほどの規模で世界中の人と活動を統合できるのだ。この方向に働く経済とテクノロ…

非経済目標の達成

インターネットのような新しい情報伝達テクノロジーがこれまでになくそれを実現可能にしていることを、認識している人はほとんどいない。だが、情報共有がとても簡単になったことで、自分と価値観を共有する人や企業を見つけやすくなり、他人や企業が何をし…

ブレインストーミング

例えば、ブレインストーミングは、一九三〇年代にアレックス・オズボーンが開発した創造性を生むテクニックである。そこには四つのルールがあり、それらは次のように言い換えることができる。ひとつ、アイデアを考えているあいだは、批判や評価、判定はいっ…

あいまいをとらえる

たとえわかりにくく、あいまいであっても、目下の現実を理解しなければならない。…実際のところ、他人よりも早く、たくさんのあいまいなデータを読み解き、傾向をつかむことが、あなたが成功するためのもっとも重要な要素となりうるのだ。 『フューチャー・…

『ビジョン』

しかし、よいビジョンはたんなる響きのいい言葉の羅列ではない。それは、あなたが心から達成したいと思っている成果の確固たるイメージなのだ。・・・あなたがほんとうに関心があるものと結びついていないビジョンは、言葉のかたまりにすぎない。・・・そし…

『リーダーシップ』

ドワイト・アイゼンハワー大統領はかつて、リーダーシップを「自分がしてもらいたいことを、他人をしてすすんでそれをする気にさせる能力だ」と定義した。 『フューチャー・オブ・ワーク』 〜人材の育成〜 P.216

調整に必要なこと

おおまかに言うと、調整とは望ましい結果を出せるように業務を組み立てることだ。具体的には、人々の集団によい結果を生みださせる鍵となる三つの重要な条件−能力、インセンティブ、結びつき−を確立することである。 『フューチャー・オブ・ワーク』 〜活動…

『調整』と『育成』

調整とは、自分がコントロールしている、いないにかかわらず、よい結果が出せるように仕事を進めることである。調整は集中化によりおこなわれるものも、分散化によりおこなわれるものもある。どちらの場合でも、調整はするべき業務とそれらの関係に焦点を合…

情報伝達コストの低減に伴いマーケットの威力が向上

どの選択もそれぞれ複雑さを持つ。まちがったことを外部に委託すれば、サプライヤーに対する重要な戦略的優位性を失うことになるかもしれない。また、外部委託が少なすぎれば、それまでのみずからの能力に縛られて、早く動けないで、ライバルについていけな…

現場担当者によるForecast

一日わずか数分で数日間を費やすだけの販売部員たちの予測が、販売予測を専門とするHP本社の販売部にいるアナリストよりも正確なのはなぜだろう?簡単に言えば、本部の立案者は各地にいる販売部員が集団として持っている情報をすべて持っているわけではない…

イーベイのビジネスモデル

同社は店員を大量に雇うことで、わずか八年間で驚くべき規模に成長したわけではない。通常の小売会社で店員(そして、買い手、商品担当、マーケティング担当、荷送り人)のすることを、イーベイでは売り手がおこなっているのである。つまり、実質的には、数十…

チーム編成時の費用低減

ここでもまた、情報伝達テクノロジーにより、ひとつのプロジェクトのために人を探して、選別し、働かせ、報酬を払うことに要する費用が減り、臨時のチームを組織するのを簡単にしているのだ。 『フューチャー・オブ・ワーク』 〜組織外のマーケット〜 P.111

分散化に適さない人、望まない人の存在

意思決定をおこなうことになる人間の準備も必要だ。自分が評価される基準を理解しなければならないし、正しい情報を手に入れなければならない。そのための訓練を受ける必要があるかもしれない。中には、別の仕事を見つけなくてはならない者も出てくるだろう…

組織における情報の開放について

「われわれの情報が開放され過ぎていると心配する者もいる。競争相手に漏れるだろうと言うのだ。だが、それを冒す価値のあるリスクだと考えている。そうでなければ、どうやって社員がビジネスパーソンになれるのだ?正しい意思決定をするためには情報が必要…

産業革命時の組織設計

・・・、産業革命時は、農場から出てきて工場で働く労働者は信頼できないし、賢い決定も下せないし、訓練する必要があり、するべきことを指示しなければ働かないことを前提にして、組織が設計されてたという。 『フューチャー・オブ・ワーク』 〜ゆるやかな…

厳しい管理によるMotivationの低下

もしも、強固な階層制のもとに、きびしく管理されていたならば、成功に欠かせない創造性あふれる人々を惹きつけることはできないだろう。そしておそらく、MITの管理者が研究や教育を管理しようとすれば、仕事の質は上がるのではなく、下がるはずだ。 『フュ…

Wikipedia参加者を束ねる価値観

多くの参加者にとって主な魅力は、おそらく事典を作ることそれ自体の知的快感と、改良のために与えられた大いなる自由と、そして、大きな目的に向かって協力しあうことの満足感なのだろう。 『フューチャー・オブ・ワーク』 〜ゆるやかな階層制〜 P.73

価値観によって統率されるゆるやかな階層制

したがって、ゆるやかな階層制を機能させるためには、プロジェクトを遂行するのに必要な人々の価値観―それがどんなものであれ―に訴える必要がある。・・・意思決定を委譲し、人々の価値観を保証することにより、ゆるやかな階層制は、伝統的企業よりもはるか…

『フューチャー・オブ・ワーク』