2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

不特定多数無限大の良質な部分とテクノロジーを組合せ

日本だけでも数千万、世界全体で見れば数億から一〇億以上という不特定多数の膨大さ、それゆえの「数の論理」、それらを集約するためのテクノロジーの進化の加速やコスト低下、そういう諸々の要因を冷静に見つめ、「不特定多数の集約」という新しい「力の芽…

市場メカニズムと予測市場の考え方

もともと市場メカニズムには、不確実な将来事象の期待値を現時点の価格に置き換える機能が内包されている。事実、市場の動向はものごとの将来をよく言い当てる。ならば、ありとあらゆる未来の重要テーマについてネット上で人口市場を作ればいいじゃないか。…

SNSの可能性

ソーシャル・ネットワーキングとは「世界中のすべての人々が互いにどういう六、七人の知己関係の連鎖でつながっているか」という「巨大な人間関係マップ」を構築する過程にあると考えることもできる。 ・・・ソーシャル・ネットワーキングは「人々をテーマごと…

Web 2.0時代のサービスの構造

サービス提供者が「個」に対して「あちら側」での利便性を提供する。「個」がその利便性を享受するために、色々な情報を「あちら側でオープン」にしてく。「個」が「あちら側でオープン」にした情報をサービス提供者が集積し「全体」としての新たな価値を創…

「全体」を意識せずに「個」の価値を集積

しかし本来とても私的な営みである知的生産活動は、常に「全体」という場への貢献を意識して行われるわけではない。だから「全体」をあまり意識せずに行う「個」の知的生産活動の成果を集積し、そこから自動的に「全体」として価値を創出することができれば…

ウェブ進化論 第五章 オープンソース現象とマス・コラボレーション

これからのネット列強の役割

ロングテール追求機会もまた、広く誰かに開かれるようになるということだ。これからのネット列強の役割とは、ロングテール追及の連鎖をウェブ全体に引き起こす主体となることなのである。 ・・・ヤフー・ジャパンや楽天は、孤島の魅力を高まるだけの今のやり方…

ロングテールとWEB 2.0は表裏一体

ロングテールとWEB 2.0は表裏一体の関係にある。キーワードは不特定多数無限大の自由な参加である。それがネット上でのみ、ほぼゼロコストで実現される。ロングテール現象の革新は、「参加自由のオープンさと自然淘汰の仕組みをロングテール部分に組み込むと…

PC産業のAPI公開とWEB APIの違い

PC産業において「OSにおけるAPI」が公開されて、その結果PC用アプリケーションが百花繚乱のごとく生まれたのと構造自身は同じで本質的には新しいことではないが、違うのは、中島氏が指摘するように、可能性空間のスケールの大きさなのである。 『ウェブ進化…

Web 2.0の本質

ではWeb 2.0の本質とは何なのか。・・・「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」がその本質だと私は考えている。 『ウェブ進化論』 〜第三章 P.12…

eコマースのプラットフォーム企業への変化

ウェブサービスの公開からわずか一年たらずで、ウェブサービスを利用して作られた無数のサイト経由でアマゾン商品を購入したユーザは、数千万人にのぼった。・・・自社の生命線たる商品データベースを公開することで、アマゾンはネット小売り業者から、eコマー…

「負け犬」と「未知の可能性」という2種類のロングテール

この文章における「配信」と「新しい音楽を生みだそうという試み」(創造)との違いが、ロングテール論における「負け犬」の集合体と「未知の可能性」の集合体との違いに呼応している。 既に「商品」になっている音楽を「配信」するのでは、ロングテールの効果…

ロングテールと未知の可能性

第二章で詳述したグーグルの売上高の異常なスピードでの成長は、「参加自由のオープンさと自然淘汰の仕組みをロングテール部分に組み込むと、未知の可能性が大きく顕在化し、しかもそこが成長していく」という全く新しい事実を、私たちに突きつけたのだ。 『…

ウェブ進化論 第三章 ロングテールとWEB2.0

「人間の介在」の意義

ヤフーとグーグルの競争の背景には、サービスにおける「人間の介在」の意義を巡る発想の違いがある。 『ウェブ進化論』 〜第二章 P.96〜

情報自身の淘汰に委ねる

シルバースタインは「こうした情報共有の仕組みをテクノロジーが支える」と語ったが、グーグルの社内情報システムはごく普通のシステムの組み合わせた。・・・道具自身に革新性があるのではなく、すべての情報を共有することを原則に「情報自身の淘汰」に委ねる…

インターネットの本質とグーグルの目指す富の再分配システム

リアル世界における「富の再分配」は、巨大組織を頂点とした階層構造によって行われるのが基本であるが、その分配が末端まであまねく行き渡らないところに限界がある。しかし、いかに対象が膨大であれ、インターネットにつながってさえいれば、その対象は同…

広告の本質と市場規模

メジャーメディアの世界広告市場は、三五兆円から四〇兆円くらいの規模である。しかし広告の本質を「製品やサービスの送り手が、自らの存在を潜在的に受け手に何とか認知させたいと考える経済行為すべて」と広義に定義しなおせば、その市場規模は一〇〇兆円…

IT産業の将来像

付加価値が順次「あちら側」にシフトしていき、「こちら側」のモノはコモディティ(日用品)になる、誰でもいいから中国で作って世界に安く供給してくれればいい、というのが、米国が描くIT産業の将来像だ。IBMパソコン事業の中国企業への売却はそれを象徴して…

IT産業の構造を決定する本質

情報をインターネットの「こちら側」と「あちら側」のどちらに置くべきか。情報を処理する機能を「こちら側」と「あちら側」のどちらに持つべきなのか。このトレードオフが、これからのIT産業の構造を決定する本質である。 『ウェブ進化論』 〜第二章 P.59〜

グーグルによる知の再編成基準

権威ある学者の言説を重視すべきだとか、一流の新聞社や出版社のお墨付きがついた解説の価値が高いとか、そういったこれまでの常識をグーグルはすべて消し去り、「世界中に散在し日に日に増殖する無数のウェブサイトが、ある知についてどう評価するか」とい…

ウェブ進化論 第二章 グーグル―知の世界を再編成する

オープンソースの本質

オープンソースの本質とは、「何か素晴らしい知的資産の種がネット上に無償で公開されると、世界中の知的リソースがその種の周囲に自発的に結び付くことがある」ということと「モチベーションの高い優秀な才能が自発的に結びついた状態では、司令塔にあたる…

ITインフラではなく、Iインフラ

しかし実際に二一世紀初頭に入ってみて明らかになったのは、「大規模な構築ステージ」で作られるのは、実はITインフラではなく、I(情報)インフラで、それによって「情報そのものに関する革命的変化」が起ころうとしているということである。Iインフラの本質…

革命的変化の起こるプロセス

こうした革命的変化に共通するパターンとして、最初の段階ではかなりのスケールでのタービュランス(乱気流、大荒れ、混乱、社会不安)が発生するとアーサーは語った。そしてタービュランスに続いて、メディアが書き立てるメディア・アテンションのフェーズに…

新しい技術の本当に意味を理解するプロセス

新しく生まれる技術の社会に及ぼすインパクトが大きすぎる場合、最初は期待ばかりが盛り上がる。でも産業・社会全体におけるその技術の本当の意味がわかるまでには、少なくとも一〇年という歳月をかけての試行錯誤が必要となる。その過程で、過剰な期待とそ…

「力の芽」を見極める基準

「次の一〇年」を変える「力の芽」を考えるときに私が一つ拠り所としているのは、その「力の芽」が「持てるもの」によって忌避される類のものである一方、「持たざるもの」にとってはものすごい武器であるときに「力の芽」は着実に育つ、という判断基準であ…

ウェブ進化論 第一章 「革命」であることの真の意味

ネットの世界に住まない人々

二、三ヶ月に一度のペースで日本にいき、顧客企業の幹部と最先端の動向について議論するということを繰り返して、もう一〇年以上が過ぎた。その仕事において目に見えない変化が訪れたのは二〇〇三年末頃からだったろうか。ちょうどそれはシリコンバレーがネ…

インターネットの可能性の本質

放っておけば消えて失われていってしまうはずの価値、つまりわずかな金やわずかな時間の断片といった無に近いものを、無限大に限りなく近い対象から、ゼロに限りなく近いコストで集積できたら何が起こるのか。ここに、インターネットの可能性の本質がある。 …